そして飛行機はとうとう14000フィートに到達。すると『3minutes!』の掛け声が。こ、恐い、とうとう?ほんとに?・・・タツヤさんに呼ばれ、カチャ、カチャ、とドッキング。とうとう繋がれてしまった。金具を見つめ、『これ、ホントに取れないですよね』『本当に大丈夫ですよね』とシツコク何度も聞くが、その度にタツヤさんは、優しく『大丈夫。』『大丈夫。』と、常に安心させてくれた。はっきり言って、私の命はタツヤさんに預けたも同然。すがる思いだ。こういう人を毎日相手にしているのだから、大変な仕事だ・・・
『1minute!』来たーっ!とうとう来てしまったーっ!この時が!!む、無理です!ウソです!ごめんなさい!そんな私の心の叫びに容赦なく、TATSUYAさんはジリジリと前へ進み、とうとう出口に押し出されてしまった。『な、なんて事をするのよっっ!!』説明を受けていたにもかかわらず、逆切れ気分だ。私の足はもはや飛行機の外。腕を胸のところでクロスし目を瞑る。(とてもじゃないが下を見る余裕無し)『READY
SET GO !!』で大空へ飛び込む。恐いながらも、『見ておかなければ・・・』という意識が作動し、なんとか目を開けると、空そして海が見えた。回っているのだ。上も下も分からない状態から、体勢が安定し、眼下に海が広がった。ここまでが約3秒。随分長く感じた。
自然に体を開放したくなったその時、肩を叩かれ、その合図と共に、両手を広げえびぞりの姿勢をとる。ここからのすばらしい体験は、どう言葉を探しても私の引き出しにはこれを表現できる言葉が見あたらない。そこには、生まれてはじめて味わった感覚があった。時速約200kmで落ちているが、落ちていっているという感覚はまるでない。フリーフォール約60秒。私は空中の浮遊物になった。宇宙に放り出された気分。地球を抱きしめるような感覚。
落ちているのではない、飛んでいるのともちょっと違う、下からの風に吹かれて浮いているような感覚すらある。なんの動力や乗り物も使わず、身一つで大空に自分が存在する感覚。ありえない感覚。自分達の体だけで、大空を漂っている。そう、漂う感覚。強風に吹かれながら・・・想像つきますか?これ以上ないって程の開放感を堪能し、約60秒のフリーフォールは幕を閉じた。 |